ハード・ロハス

スロウライフ・スピードスタイル

じぶんのへや


 41歳も後半にして、自分の部屋なるものをもった。
 思えば25歳で実家を出ていらいである。
 5.5畳、北向き、陽あたりなし。
 もとは娘の個室として使わせていた。壁に囲まれ太い柱が異様に飛び出し収納は少なく狭いので、なんとも使いかってのわるい部屋である。家族の持ち物や書籍類、カヌーにチャリ4台、撮影機材やら、へらぶな釣り道具やら何やらを押し込んだら、5.5畳はあっという間にぎっしり。ほんとは物置のつもりだったが、ただの物置もなんなので、ためしに椅子と照明を置いて腰をおろしてみたら・・圧縮陳列のような雑多な感じとモノに囲まれる圧迫感が、かえって羊水にひたっているような安堵をもたらしてくれるのである。これぞザ・オトコノコの部屋である。
 当初は、ただ椅子にすわって愛するチャリとかカヌーのパドルとか、ふな釣りの竿とかを眺めて過ごすぐらいだったのが、居心地のよさに引きずられ次第に滞在時間が長くなっていき、少しずつモノの陳列方法を工夫したり、照明や棚やカーペットを入れたりするうちに、さらに愛着が強くなってくる。使いかってがわるいと決めつけていた柱の張り出しや間取りのへんちくりんさも、配置の工夫で乗り越えていくと、もはや欠点ではなく「おもしろみ」に感じるようになってきた。棚など既成品ではあわないから、ホームセンターに行ってぶらぶら眺めながらアイデアを練るのである。
 こうしてついに仕事道具一式も物置部屋に常設するに至る。もともと「移動オフィス」の名のもとに商用車ハイエースの車内空間であらゆる業務が完結できるように機材やワークスタイルを研鑽してきたから、ぎゅうぎゅうの狭小な部屋はお手のものである。
 まだまだ課題は多いが、目下の悩みはふたつ。
 天井近くにつるしているチャリのタイヤによく頭をぶつける。タイヤだから痛くはないのだが、チャリの方が壊れないか心配である。
 もうひとつは、ハイエースという厳しい環境で鍛えた整理術のせいか、ちょっと手を入れるとすぐに部屋がスッキリしてしまうこと。
 配線が迷路のように這いまわり、蔵書が積みかさなり、道具類が趣味・仕事用問わず入り乱れる・・そんな雑多な混沌のなかに、自分にしか理解できない機能性をもつ部屋がめざすところである。スッキリしていてはいけないのだ。
 基本は物置なので、何をやろうが誰にも叱られない。イレクターで骨組みをつくり部屋の中を二階建てにしようかという案も検討中である。

照明はシーリングライトもデスクライトもLED照明を使用。
パナソニック社製のエコナビつきのシーリングライトは、30ステップできめ細かく明るさを調光できるほか、暖かな電灯色から目のさめるような白の昼光色まで20段階で調色もできる。自分の好みの明るさと色ができたら、次からは記憶された状態の光で点灯することができる。フルパワーの「勉強」モードへの移行も、設定状態への復帰もボタンひとつ。そして僕が特に気に入っているのが「くつろぎ」と「シアター」の2つのモード。
なんと暖色の間接照明ができるのである。
デスクライトは照明の老舗である山田照明社製のZライト。フルLEDでシャープなデザイン。こちらも明るさや色味の変更ができる。自分が設定した状態は記憶されるが、上のシーリングライトのようにボタンひとつでフルパワーにしたり、元にもどしたりといったことはできない。それとアームの可動範囲がやや狭いのが残念。


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