ハード・ロハス

スロウライフ・スピードスタイル

津軽・竜飛崎を軽商用車で挑む

 下北半島はオートバイで一周したことがありますが、津軽半島は二度も素通りしています。

 まず、日本海側からアプローチしたときの半島起点となる五所川原の地名が怖すぎます。これで半分は腰くだけな気分になっているときに、竜飛崎方面の看板と交差点にさしかかると広がる茫漠な荒れ野と一本道(農道)。バトルツアラーとしてはここで引いては名折れ、と思いつつ、あまりの怖さに見て見ぬフリをして素通り。それを二回も。

 まさか十数年後に当時のオートバイの半分の排気量の軽商用車におんなこどもと生活用品満載で再チャレンジすることになろうとは。

 決行日は日本史上初の「シルバーウィーク」。

 キャンプ用品や食糧、釣り具、自転車、撮影機材一式で満載。商用車は満載荷物が似合いますね。でも、全行程、オール車中泊&自炊の予定です。三人はどこに寝るのでしょうか。

 秋田県側からアプローチ。

 鉄道ファン感涙の五能線。日本海と揺れる稲穂と鉄道という絶好の撮影ポイント・・しかし主役の列車がぜんぜん通らない。

 青森に入り、十二湖(十三湖ではありません)の駐車場で昼食をつくります。

 いよいよ津軽半島に入り、未知の領域へ。入ってみると下北半島よりもオソロシゲではなかったです。なーんだ。

 十三湖(さっきの十二湖とはぜんぜん別の場所です)のほとりの出店で買ったしじみ汁。薄味で美味。

 十三湖高原の道の駅に停泊。

 日本海に沈む夕日にたそがれています。見えているのは十三湖ですが。

 路上での自炊。じつは家から塩水ウニとイクラを持ってきてます。北海道旅行中の義兄が送ってくれたもの。北海道から小田原に運ばれたものを、北海道と目と鼻の先の津軽半島で食べるという奇妙なことになりました。

 そしてこの日はこのまま車中泊。大物荷物と自転車は屋根の上に載せるために、大型アルミラダーも持ってきていましたが、これはテーブル替わりになったり、撮影用の足場になったりと、実はすごく便利なんです。ワイフも初めてラダーの威力を実感してくれたようです。商用車には、なんといってもラダーですよね!

 アジサイの花とススキが同時に楽しめます?

 さすが最果ての地、津軽海峡秋景色。

 気候、どうなってるんでしょう? 夜はたぶん1ケタの気温まで下がりました。しかしこの日の日中は30度近くまでUP↑ うーん、苛烈。

 

 竜飛崎といえば階段国道。むこうに見える大地は北海道。

 距離にして20キロほど。このぐらいなら泳いでいけない距離ではないですね。・・と言えるようになりたい。

 階段国道ランニングのお伴は、新兵器GPSオレゴン300。インプレはまた後日。

 竜飛崎では「津軽海峡冬景色」がスピーカーから大音響で流れていて、それがなんとも寂寞と旅情を誘いました。帰還後もしばらく頭からこびりついて離れません。

 こんな坂、チャリで登りたくなるでしょう? 津軽半島竜飛崎に向かう国道。いつカモシカが飛び出してきてもおかしくないような道です。

 左手に北海道、右手に下北半島が見えます。

 この日のお昼ごはんは、名物イカ焼き(300円)をひとつ買って、道ばたでまた自炊。

 地元ナンバーのおじさんが、きーっと停まったので怒られるのかと思ったら、山で採れたといって不思議な果実をくれました。青森の人は、親切な人が多いのです。