ハード・ロハス

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ササミのサシミを家庭で

吉野家を家庭で」の次は、ササミである。
 鳥屋で食ったササミのサシミがすごく美味かった。梅あえ、山かけ、柚子胡椒・・全種類を注文してしまったが、高価なわりにちょっとずつしか入っていない。調子にのって、ぞろぞろ食っていた娘がおかわりと言ったので、だめじゃぼけ、と言った。そのかわり家でつくってみることにした。
 インターネットで調べると、9割がたの意見としては「スーパーで買ったものはサシミには使えない(食中毒の危険性がある)」とのことだった。しかし、たった一件ではあるが、貴重な意見に目を止めた。
 その一家では、魚の刺身を買う金がないので、スーパーの特売のササミをサシミにして食ってきた。余計な調理はなし。ナマのササミを削ぎ切りにし、生姜、または山葵醤油で食べる。10年間、腹を壊したことはないそうだ。その野性味に惚れこんだ。
 インターネットの意見は、リアルな体験談が多いので、参考意見としては心強い。が、今回、9割がたの人がスーパーで買ったササミはサシミで食えないと言っていたが、それについてはどうか?と思った。みんなが信じていた「豚肉は寄生虫がいるからよく焼け」というのだって、じつはほとんど明治時代の迷信レベルのガセネタだったのだ。
 というか、正直言うと、それほどササミをサシミで安く大量に食ってみたかった。
 最初なので、大きなスーパーに行って、新しいものをチョイスしてきた。地鶏っぽいものにしておいた。値段が倍の高級地鶏もあったが、それだとマグロのサシミに近くなってくるのでパス。リーズナブルに100gで98円のものを選ぶ。悪くない値段である。100g60円だと、ちょっと怖い。サシミのありがたみが薄れる気もする。
 削ぎ切りにし、軽く塩コショウして5分。ざっと熱湯に湯通し。最初なので、ちょっとしっかりめに熱を通した。
 大和芋をおろしてアゴだしでといたものと、あえる。ワサビ醤油を用意して、丼にして一家で食った。
 味は大好評。あとは翌朝まで誰も腹を壊さなければ定番化間違いなしである。