ハード・ロハス

スロウライフ・スピードスタイル

26年ぶりのバレンタインデー快挙

 うるわしきバレンタインデー。
 即日開票、集計した結果、もらったチョコはゼロであった。(親族チョコを除く)
 女の髪を売りとばして金にしているような下賎な輩でも、いくばくかのチョコは手にするはずだし、きょーび、小学2年生でも義理チョコゼロってやつはいない。記憶をたどれば僕だって小学2年からは欠かさず義理チョコをもらっている。つまり26年ぶりのゼロ回答なのである。
 考えてみれば、年齢をかさね、しがらみが増えるほど、義理チョコも増えた。遠方から律義に宅急便で送られてくる仁義チョコもあった。義理は義理で返さねば義理が立たぬ。面倒くさい。おまけに義理チョコは刑の宣告にも似て、淡い期待やほのかな可能性も完全否定の義理チョコであるから、場合や相手によっては、もらえない方がかえって、ほっとしたりしないでもないのだ。
 それが今年はどうだ! せいせいするほどに、きれいさっぱりゼロ、である! この年齢になってゼロというのは難易度が高い。ホームレスをやっていても、義理チョコのひとつふたつは食らう。私は35歳にして、菓子業界の術策がもたらす憂鬱からみごと解き放たれたのです。
 いやはや、じつに爽快な気分ではないか。どうです男性諸氏、うらやましいでしょう?
 いやぁ、爽快爽快。じつに爽快。おぼえてろ。