小田原も富士山噴火と活断層の危機が現実的になるなか、有事の避難先としてひとり熱い視線を注いでいるのが、牛窓(岡山県)と宇和島(愛媛県)である。
四国の中でも陸の孤島と言われていた高知でさえ東京から高速道路でつながっているこの時代にあって、宇和島には、いまだに高速道路が届いていない。(※2013年現在はほぼ開通)
数日前、朝日新聞の記事で宇和島のことが出ていたので思わず切り抜きをとっておいた。記事はおもに宇和島の漁師料理である「鯛飯」を取り上げていて、丁寧にもレシピまで掲載されていた。
釣りたての鯛は正直、美味くない。ブラックバスみたいな味である。鯛飯も炊き込むので、まあまあ。ところが宇和島の記事によると、生きたままの鯛をさばき、卵黄を使った醤油だれをかけてシンプルに食すという。鯛飯なのに火を通さない。また、卵黄を使うというところに、獲りたての鯛の欠点を補う宇和島漁師の知恵を感じた。
よし。鯛、獲ったろ。
と、日の出とともに出漁すると、半時もせずにまるまる太ったのが獲れてびっくりした。妻が出張なのでゴミ出しの時間までにあわてて帰ったが、すごいオマケまできた。
娘は箸をつけるなり言った。
「これ、売れるわ」
宇和島はこの鯛飯で町おこしを考えているそうだ。10月には全国丼サミットが同地で開催される。