クルマが、しっこ臭い。
おかしいと思っていたら、ボンネットからフロントガラス、そしてルーフに猫の足跡。
通り道になってしまったようだ。それはつまり、猫の便所になったようなものである。
そして、なんとクルマの下からはカラスの死骸。猫がちびちび食っていた模様。強烈な悪臭。
猫よけに効果があるという木酢液をまいた。山火事の匂い。猫のしっこの匂いよりはマシである。
山火事を本能的に怖れるのか、確かに数日は足跡が見えなかったが、まもなく復活。
もっと木酢液をまいた。同じことのくり返し。
竹酢液も加勢。ネコニゲールも加勢。
ホームセンターであらゆる猫撃退グッズを物色。
以前、猫に思いっきり蹴りを入れたことで撃退に成功した勇猛さを持つワイフは、そんなあまっちょろい手段じゃなくて、ネコイラズを買ってきて、と言うが、そんなものはどこに行っても売っていない。できれば平和的解決をしたいものである。
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娘のささやかなベランダ菜園。
三つ葉がかわいらしく茂りはじめたころ、いくつかの葉っぱが根元からきれいになくなっているのに気づいた。
最初は娘と鳥だろうか、と話していたが、だんだん笑えないぐらいに被害が拡大。
家族が寝た後、ベランダで煙草を吸っていたら、葉っぱが激しく消えている。目をこらして見ると、ぎょっとするような芋虫が二匹、茎に止まってじっとしている。煙草の火を近づけても、ぴくりともしない。
娘のプランターだ。経験として、朝にでも娘に見せて処分を考えさせようと思って寝た。
翌朝、娘がプランターを見ると、芋虫なんていない。本気で幻覚でも見たかと思った。
その翌日、葉っぱはほとんど残っていない状態になった。
まさかと思ったが、土を掘り返させてみると、娘が芋虫を発見した。
土中に隠れる芋虫がいるなんて、驚いた。
インターネットで「土中」「芋虫」でサーチすると、その名も「夜盗虫」がヒット。
夜だけ地上に出て、鮮やかに葉を刈り取る。別名、ネキリムシ。
名前があまりにみごとというか、ぴったり。
プランターには、散々になった三つ葉を端に植え替え、第二陣を播種した。
こちらも毎晩、警戒を怠ることができない。