ハード・ロハス

スロウライフ・スピードスタイル

ワイフのチャリ改造 耐久レース仕様

 2006年7月、ワイフのかよぼんが富山でトライアスロンデビューする。8月は筑波サーキットでチャリの耐久レースデビュー。
 これに照準を合わせ、街乗りクロスバイクルイガノRSR2(2005年モデル)を大改造。


ドロップハンドル化・・本来、クロスバイクのジオメトリーはドロップハンドルに向かない。ましてや腕の短かい女性向きとなると工夫が必要だ。今回はハンドルは女性専用で定評のある3T社製のEVAをチョイス。ハンドル自体のリーチが短く、ブレーキレバーが近くなるような曲線を描き、さらに女性の肩幅に合わせて「ハ」の字型をしたドロップが特徴的なエルゴノミクスハンドルである。ステムも同じく超ショートの3T社製をチョイス。ドロップハンドルに慣れていないので、高めにセット。DHバーは従来から使用しているシンテース社製のショートストレートタイプ。パッドが手前にくるので、初心者の女性でも楽にエアロポジションがとれるはずだ。


コンポーネントを10スピード化・・ホイールの共有化を図りたかったので、コンポをシマノ社製のNEW105を使用し10スピード化を果たした。元からついていた9スピード用のFSAコンパクトクランクは性能、デザイン的にも気に入っていたので、そのまま生かしてもらう。リヤディレーラーも105を入れていたので、そのまま変更なし。STIレバーだが、新発売のシマノ社製ナローリーチ。ブランドカテゴリー外製品ながら、グレードはアルテグラ級で、ジュニアレース用に開発されたものである。女性専用ハンドルEVAと、このレバーの組み合わせで、指の短かいワイフには最良の選択になったはずである。ただ、ブレーキ本体がフレームの設計の制約のため、カンチブレーキとなった。ロード用ブレーキに比べて効きが甘く、ホイールの脱着に手間取る。(タイヤの空気を抜く必要あり)
 カセットスプロケットは12-27のワイドを選択。フロントのコンパクトトレインと合わせれば、ワイフの脚力に対して最高の登坂能力を発揮するはず。週末の箱根登坂が楽しみである。



サドル、その他・・サドルはこれまでルイガノ純正→セライタリア社製女性用ゲルフロウ→セライタリア社製フライトゲルフロウ、と遍歴をつづけてきた。鍛練によってワイフの尻も強度が高まってきたようなので、思い切って薄型軽量サドルをチョイスしてみた。サドルのしなやかさでは定評のあるスペシャライズド製。薄いのに、ほんとうによくしなり、形状もフィット感が高く、ワイド幅で面圧が低く、噂にたがわず素晴らしいのひとこと! これは本気でうらやましい!
 ホイールは赤いスポークとハブがよく似合うということで、私の宝物であるMAVIC社製の最新モデルであるキシリウムESを提供。
「これ、すごいぴったり!」
「そ、そうスね」
「ちょうだい、これ」
「そ、そりはちょっと・・」
「ホイールなんて安い安いって言ってたじゃない?」
「そ、そうスね・・」
「わあ、ありがとう」
 さて、今回の改造費はまだワイフに請求していない。元のチャリの値段より高い請求を見せたらさすがに悲鳴をあげるであろうか。あげるはずがない。ワイフの男気は、断崖を削る波濤のごとくである。いや、でもやっぱり怒られるだろうか。
 しかし今回、このチャリのために私が供出させられたホイールはもっと高い、ということは内緒である。「たかがホイールですよ」と、正確な申告をゴマかしたことが発覚するのを怖れるためである。男らしくない発想を、ワイフは何より憎む。
 男気でこのペダルをがしがし踏んで、ワイフがデビューする日は近い。