ハード・ロハス

スロウライフ・スピードスタイル

シガレット

 シガー(葉巻)を買った。
 小田原に一軒だけ藤木屋というシガーが置いてある店があり、かよぼんが金を払ってくれた。
 なんとなく煙草を吸わなくなって20日ほどたつが、特に健康になった感触もないし、禁煙した人たちがよく言うように、ご飯がおいしくなったとか、階段で息が切れなくなったとか、胃の調子がよくなったとか、そんな実感も特にない。
 ただ、一日が少し長くなって得した気はする。単純に考えて一本で5分、一箱20本分で一日あたり100分が浮いたわけだ。また、煙草を家に置き忘れてきてしまって慟哭するとか、行くとこ行くとこ禁煙ゾーンばかりでカッカするとか、そんなこともなくなって、人生のお気楽度が増した。喫煙者とは、じつに受難者であると改めて実感。
 煙草をやめたいのであれば顔面骨折で簡単に実現できることが立証されたわけだが、煙草は大好きだし、けっしてやめたいわけではない。ニコチンに依存することなく、吸いたいときだけ吸えたら素晴らしく、そのようなスタイルをエヴァンフェリスタ喫煙法として昨年、堂々提唱したわけだが、これはこれでなかなか難しい。吸わなくなると、いつも持ち歩くことがなくなるので、吸いたいときに吸えない。現代のような状況だと、吸いたい気持ちより面倒くささの方が上回るシチュエーションも多々ある。しかし面倒くささを押しても吸いたいときがある。オートバイで波濤さかまく断崖に降り立ったときとか、銃で打たれて冷たく濡れたアスファルトの上に横たわったときとか、こういうときは何としても吸うべきである。
 吸いたいときだけ吸うようなスタイルだと、20本入りの煙草はよくない。1本か2本あればいいので、吸いきれない。吸いきろうと無理して吸っていると、知らないうちにニコチン依存になる。たまに吸いたいときの極上の一本、となると、シガー(葉巻)がぴったり?